-THE HAND SWING FLOCKY-

電気フロッキープリント

 ”フロッキープリント”といえば、数あるプリントの手法の1つとしてあげられますが、今回こちらでご紹介するものは、国内で数箇所の工場でしか出来ないフロッキープリントで、より格別なものです。静電気を利用し、Tシャツやスウェットに繊維をつけてプリントをします。この手法でプリントされたものは、あきらかに他とは見え方の違う立体感があり、誰にでもそれは見てとれるはずです。 しかし、1つプリントをするにしても、それにはいくつもの工程があり、熟練した技術と時間を要します。

 

 

 プリント職人である土居俊章氏は、この道40年のベテランであり、これまで数多くのプリントを請け負ってきました。その他たった2名のスタッフで全ての工程を行い、自分たちの管理が行き届く範囲でプリントの受注を受け、クオリティを保っています。

 

 

 この電着式のフロッキープリントは、いくつかの工程があります。まずは繊維をつけるためのノリとなる樹脂の層を、シルクスクリーンを使用してTシャツなどのボディーにプリントします。

 

 

 次にノリがついた生地の部分に繊維を植え込みます。これには静電気の力を利用します。下敷きを髪に当てると静電気で髪が逆立つ原理と同じで、繊維が入った底がメッシュ状の桶に静電気を通すと、中の繊維が磁石のように上から下へと落ちていき、ノリの部分にくっついていきます。この後は、ノリの部分以外の周りについた余分な繊維を除去し、最後は高温のタンブラーに入れ、繊維を固着させプリントを完成させます。

 

 

 通常のプリントとは一線を画す立体感のある仕上がり。繊維の色を混ぜたり、長さを変えたりと、他にも様々な表現が可能です。