vintage wearに対する想い

vintage wearに対する想い


私がファッションに興味を持ったのは高校生の頃でした。1980年代の半ば頃はDCブランド(ドメスティックデザイナーズブランド)最盛期 BIGI、ニコル、コムデギャルソン、ヨージヤマモト、などの人気ブランドで全身コーディネートが大流行した時代でした。

私は全てブランドで揃えたファッションは好きではありませんでした。自分の好きな物を自分で探して、なるべく流行のものと同質化しない様なファッションをしていました。
そんな時から、古着屋で自分の好きな物を探しはじめました。古着には色々な年代、色々なデザインがあり、今のように当時のブランドを細かく分類した価値はありませんでした。せいぜいデニムのLevis,Leeなどがちょっとだけ差別化をされて売っていたように記憶しています。
だから好きなデザインやカラー、年代、当時の流行などを自分なりに考えて服選びをしていました。
東京生まれの私は当時では唯一古着屋の多かった(それでも6〜7軒)原宿に足繁く通っていました。その頃は古着を着ていると多くの人から「古着とか着て汚いよ」、「よくお金出して買うよね」とか言われてました。まさか古着がこんなにメジャーになる時代になるとは想像もしていませんでした。
沢山の古着を見ていく中で当時の流行していた年代のアイテムや今でも定番として残っているアイテムなどを見分けられる様になっていました。
なので「このディティールは50年代」とか「このサイズ感と素材は30年代」など自分の中で分析できる様になりました。そしてヴィンテージのディティールや素材などを独学で学んでいきました。
まさに好きこそ物の上手なれを地でいった感じだと思います。

今回のコレクションをデザインする時には私の大好きなヴィンテージスウェットのディティールを盛り込んでいけたらと考えていました。古いものについていたディティールを現代の型に落とし込んだらこんな感じかと色々考えていました。

今回の展開ではありませんが、ヴィンテージスウェットの一番メジャー?なディティールは襟の下にあるV型のガゼットです。諸説ありますが、当時(30〜40年代)には綿のスウェットがまだほとんどなかったそうで、生地が全く伸びなかったため頭が通るようにリブを作った説、またアメリカでは70年代までトレーニングウェアとしての着用が主流だったため、汗が落ちてこない通称「汗どめ」などと呼ばれていました。いずれにしても昔々の話、今は素材も開発されているしスウェットシャツで本気でスポーツをする時代でもないので「そんなに汗かかないよね」など考えていると当時の人々の苦肉の策ではあったかもしれませんがちょっとニヤッとしてほっこりした気持ちになれます。

今回はヴィンテージディティールや仕様を入れ込んだ商品を簡単に紹介します。
スウェットクルーネックには脇下にリブでマチパネルを使用しています。これもヴィンテージではオーソドックスなディティールになります。袖の付け方も表側は変型のセットインスリーブ、後ろ側はラグランスリーブと二つの使用をミックスして使用しています。着用時には後ろ側がラグランスリーブ切替になっているため動きやすく、そしてサイドから見たカッテングは綺麗なフォルムになっています。
スウェットパンツはすっきりとした緩やかなテーパードシルエット、脇にはリブで三角町を使用しています。